こんばんは、かろりぃ(小野田)です。
この本、知ってますか?
全国の書店員が
“いま1番売りたい本”を決める
2016本屋大賞で大賞に選ばれた作品。
本屋で猛プッシュされてるのを
何度も見かける内に、
だんだん気になってきて読んでみました。
(単純接触効果の力、恐るべし)
その本のタイトルは『羊と鋼の森』
ざっくり物語のあらすじを書くと、
―――――――――――――――――――
山で暮らしてきた平凡な高校2年生の
外村(とむら)。
やりたいことも、熱中できることも、
こだわりもなく、なんとなく高校卒業して
なんとなく就職して生きていければいい。
そう思っていた彼が、
先生から頼まれた雑用をキッカケに、
とある「調律師」と出会う。
調律師の手によって
まるで別物のように生まれ変わっていく
ピアノの音色に心を打たれ、
調律師になることを決めた。
そして調律師になった外村は、
あの日、ふいに耳に流れ込んできた
「明るくも澄んだ音」を目指し、
一人前の調律師へと歩き出していく・・・
―――――――――――――――――――
調律師というのは、
ピアノの音色を調整する人のことです。
「自分には何もない」
と感じていた外村が、調律師として
成長していくのを描いた物語になっています。
とにかく言葉の表現が綺麗で、
「お!」と思ったものを
iPhoneのメモ帳にメモしながら読んでました。
これから読む人がいるかもしれないので、
あまり内容には触れないようにしますが、
ハッとさせられること、
考えさせられることもあり、
とにかくたくさんのメモを取った1冊でした。
メモを取ったことの中から
さらに広げて話してもいいかなと思うんですが、
僕がこの本から得た1番のお土産は、
実は、メモしてないことなんです。
なにか?
―――――――――――――
「調律師」という人達の存在
―――――――――――――
趣味として音楽は聴きますが、
「音楽の世界」という意味では
まっったく知識がなく、
調律師の存在を知りませんでした。
もちろん、音楽の授業でも使われるので
ピアノの音は聴いたことあるし、
聴いたことない人は、ほぼいないと思います。
だけど、ピアノの音を聴くとき、
僕は弾き手のことしか見えていませんでした。
それが、この本を読んだことによって、
―――――――――――――
今まで見えなかったものが
見えるようになったのです。
―――――――――――――
・・・と、この部分だけ聞くと
なにやら怪しい力に目覚めたのかと
誤解されそうですが、そうではなく。
これからピアノの音を聴くとき、
見るときに、弾き手のことだけじゃなくて、
そのピアノの奥に調律師の息遣いも
感じられるようになったんですね。
「だから何?」
「それが何の役に立つの?」
と聞かれても、
ハッキリと答えられるものではありません。
役に立つかもしれないし、
役に立たないかもしれない。
それは分かりません。
ただ、僕が思うに、
―――――――――――――――――――
周りにあるモノの”向こう側”に
どれだけ多くの人の息遣いを感じられるか
―――――――――――――――――――
これが多ければ多いほど、
人としての厚みは増していくと思っています。
たった1台のピアノでも、
その奥には何百人もの人が関わっています。
その中に、これまで見えてなかった
調律師も見えるようになった。
これが人生の役に立つかは分かりませんが、
「ありがたみ」をさらに感じられるようになった、
という意味では、役に立ちます。
僕にとっては、
これが1番のお土産だったなーと思っています。
ではでは、今回はこれで。
ありがとうございました。
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